会長からのご挨拶

会長からのご挨拶

会長 髙畑文雄

早稲田大学  理工学術院  教授

平成28年5月27日(金)に開催された第62回映像情報メディア学会の定時社員総会、臨時理事会を経て、歴史と伝統のある当会の会長に就任することになりました。誠に光栄であるとともに、その重責に身の引き締まる思いであります。

私見の限りでありますが、当会を取り巻く状況について考えてみたいと思います。

映像情報メディア関連の分野の範囲を、広く感じるか、狭く感じるかは、個人によって大きく異なると思います。

私の所属する早稲田大学理工学術院には、20以上の学科(または専攻)が存在します。その中で、半数程度の教員が何らかの形で映像情報メディア関連の研究を進めている学科数は、2〜3程度であると考えられます。もちろん、その他の学科にも、当該分野を研究対象とする教員が少なからずおります。建築、機械、物理、化学、生命などを専門とする研究においても、データ解析、研究成果の発表などにおいて、映像情報メディア関連技術の利用は必須です。しかしながら、研究対象とではなく、ツールとしての利用に重きが置かれております。映像情報メディア関連技術は極めて広い範囲で利活用されていますが、それ自体を研究対象としている技術者は少ないのではないかと判断されます。あらゆる分野に共通して必須である技術であることから、産業界では、当該技術を理解した人材が強く求められています。

当会に所属する会員の年齢分布は、50才代が最も多く、全体の30%強、次いで40、60、30才代と続きます。会員在籍年数などを考慮した分析が必要ですが、単純な判断として、これらの数字から、経験豊かな技術者は当会に対して何らかのメリットを感じていますが、若手の研究者にとって、学会に対する魅力は大きくない様子が伺えます。上記を踏まえて当会の進むべき方向を見定めることが必要であると感じます。個人的な余談ですが、学会の規模に関して、産業規模と関連学会の会員数に相関があるのか否かに興味があります。

土井美和子前会長は、当会初の女性会長として、さらに、藤井亜里砂前調査担当理事が理事会メンバでしたので当会の評判を高めましたが、今年度の理事会メンバはすべて男性となりました。代議員や各種委員会の中からも、女性の名前を見つけることは極めて困難です。実際、女性会員の占める割合は、僅か3%です。これでは、男女共同参画にほど遠い状況です。先に述べた映像情報メディアと関連のある学科(専攻)には10から20%程度の女子学生が在籍しており、必ずしも少数ではありません。当会においても、男女共同参画の実現に向けて、何らかの方策を立てる必要性を感じます。

学会を運営する上で考えなくてはならない要因として、平成24年4月1日に一般社団法人に移行した際に設定した公益目的支出計画を着実に実行していくことが挙げられます。公益目的支出を実施した上で、財政を黒字化することは、相当量の努力を伴う至難の業です。支出を極端に抑え、会員サービスを怠ると、会員数が減少するなど、負のスパイラルに陥らないように注意を払うことが必要であります。その中において、2015年度より開始した超高精細・広色域の動画テストチャートの頒布に期待を寄せております。

当会の先行きは不透明で、上述しましたように多数の課題を抱えておりますが、会員の皆様の声に耳を傾け、学会発展のために微力ですが尽力したいと思っております。是非、会員の皆様のご指導、ご鞭撻、ご支援を賜りますようにお願い申し上げます。