このページは,映像情報メディア学会誌2016年7月号 《私の研究開発ツール》(第89回)「超高精細・広色域標準動画像 Aシリーズ」 の補足情報を提供するために作成しました.
学会誌の記事とあわせて,映像情報メディア学会が発行している「超高精細・広色域標準動画像 Aシリーズ」 を活用するための一助となれば幸いです.
学会誌の記事に掲載するキャプチャ画像取得のために作成した画像変換プログラムのソースコード(C言語)を公開します.
標準ライブラリ関数しか使っていないので,多くの環境で動作すると思います. Windows上で使用する場合は,コンソールアプリケーションとしてコンパイルしてください.
使用方法は,以下のように入力ファイルとしてDPX (Digital Picture Exchange )形式の画像, 出力ファイルとしてPPM (Portable PixMap)形式の画像のファイル名を引数に指定して実行するだけです. オプション -c を指定すると,BT.2020からBT.709への表色系の変換も同時に行います.
dpx2ppm [-c] 入力ファイル(dpx) 出力ファイル(ppm)
本プログラムは,入力画像として特定の内部形式を採用したDPXファイルを仮定しているため, 実質的に「超高精細・広色域標準動画像」専用です. また,画像サイズは入力ファイルに指定したDPXファイルと同じとなり, 出力はRGB各8 bitのPPM(バイナリ形式)となります. 画像サイズの変更や他の画像形式への変換を行いたい場合は, ImageMagickなどの汎用的な画像処理ソフトを併用してください.
「超高精細・広色域標準動画像」の動画像データ(連番DPXファイル)をWindows環境で表示する簡易ビューアです. 「超高精細・広色域標準画像」の静止画像データ(RGB独立のRAWデータ)にも対応しています.
使用方法については,各zipファイルに同梱されているREADME.txtをご覧ください.※ソースファイルはMicrosoftから無償提供されているVisual Studio Community 2015 でコンパイルできることを確認しています. 他バージョンのVisual Studioでは「 指定したプラットフォームツールセット (v140) はインストールされていないか無効です。」 といったエラーが発生する場合がありますが, 「プロジェクト」→「プロパティ」→「構成プロパティ」→「全般タブ」 のプラットフォームツールセットを適当に変更することでコンパイルできるようになると思われます.
オープンソースのエンコーダFFmpegを用いて作成した H.264/AVC形式のムービーファイルを以下にまとめました. 学会誌の記事では連番DPXファイルを直接FFmpegに入力する例を示しましたが, この方法では4.4節で述べたように従来のディスプレイで正しい色再現が 得られないという問題があります. FFmpegにおけるBT.2020の表色系の対応状況が現時点で不明のため, ここでは上記の「DPX→PPM形式画像コンバータ」と同様なプログラムにより, Bt.709の表色系に変換した連番PPMファイルを入力としました.