CIE表色系:色度と輝度信号

 
CIE表色系におけるRGB,W色度から輝度信号を求める方法について解説します

 

図1 CIE表色系における色度図
表1 NTSC
色度座標
/
x
y
R
0.67
0.33
G
0.21
0.71
B
0.14
0.08
W
0.310
0.316

 
表2 HDTV
色度座標
/
x
y
R
0.640
0.330
G
0.300
0.600
B
0.150
0.060
W
0.3127
0.3290
1. CIE表色系とは、色度とは
(1) 可視色・単波長光の軌跡を、ある色空間の第1象限に接するように配置します。すなわち、全ての可視色は、単波長光のベクトル合成で生成され、この色空間の第1象限に存在します。
(2) この色空間をXYZ座標系で表し、輝度をY軸にとります(輝度信号のことをY信号と呼ぶ所以です)。この座標系をCIE表色系と呼びます。
(3) CIE表色系で、ある点と原点を結ぶ直線が、平面 x+y+z=1 と交わる点を「色度」と定義します。色度は、(x,y)座標で表し、z座標は省略します。z座標は、x+y+z=1 の関係から得られるからです。
(4) 図1で示す色度図は、平面 x+y+z=1 の上に写像された色度をZ軸方向から見たものです。

 
2. RGB色度、およびW(基準白色)色度から輝度信号を求める方法

輝度信号を Y=rR+gG+bB とします。R,G,B、3原色のy座標はそれぞれ r,g,b、基準白色のy座標は1となります。3原色を加算して基準白色となるよう r,g,b を求めます。

(1) 3原色および基準白色の座標は次のとおりです。ただし、Rx, Ry, Rz, ・・・等の記号は、表1、表2で示す色度座標です。また、色度のz座標は z=1-(x+y) から得られます。
 
R原色  Pr rRx/Ry,  r,  rRz/Ry
G原色  Pg gGx/Gy,  g,  gGz/Gy
B原色  Pb bBx/By,  b,  bBz/By
基準白色  Pw Wx/Wy,  1,  Wz/Wy
(2) Pr+Pg+Pb=Pwとなるよう r,g,b を求めます。これは、次の連立方程式を解くことにほかなりません。
 
Rx/Ry  Gx/Gy  Bx/By r Wx/Wy
1
 1
 1
g
1
Rz/Ry  Gz/Gy  Bz/By b Wz/Wy
(3) 表1、表2の数値を代入して連立方程式を解くと r,g,b が得られ、(1)より3原色の座標が得られます。任意の色は、この3原色を線形加算したもの(PrR+PgG+PbB)であることから、RGB/XYZ座標変換は次のようになります。このうち、Yが輝度信号です。

NTSC
X 0.6070  0.1734  0.2006 R
Y 0.2990  0.5864  0.1146 G
Z 0.0000  0.0661  1.1175 B

HDTV
X 0.4124  0.3576  0.1805 R
Y 0.2126  0.7152  0.0722 G
Z 0.0193  0.1192  0.9505 B