シンポジウム,デモ展示など特別イベントに関しての情報を掲載しております。
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[企画セッション1]不揮発性ディスプレイ
企画:情報ディスプレイ研究委員会

電源を切っても表示が残るディスプレイは、低消費電力型表示素子として期待されており、電子ペーパーなどとして実用化されている。本企画では、不揮発性ディスプレイの最近の研究と将来の動向について議論する。

8月24日(水)13:30~16:35
会場A

座長:樋口昌芳(物材機構),松井 淳(山形大)


階層構造制御による多色エレクトロクロミズムへの取り組み

電気化学反応を利用して着色させるエレクトロクロミズムは着色させる材料と同数の電極が必要と考えられてきた.本研究では,エレクトロクロミズム材料の集積構造を合目的的に制御する事で,一つの電極にあたかももう一つ電極があるような系の構築方法を紹介する.さらに,この階層構造を利用する事で,一電極で色の足し合わせが可能なエレクトロクロミズム素子を紹介する.

ITE

山形大

松井 淳
水素により色が変化するガスクロミック調光材料の開発と応用 ~目視で水素の存在を確かめる材料 ~

外部刺激により可逆的に光透過率が変化する膜を調光膜という.例えば,電気的に調光する膜がエレクトロクロミック膜,熱によって調光する膜がサーモクロミック膜であり,ガスによって調光できる膜がガスクロミック膜である.ガスクロミック膜は,ガスによって色が変化する特徴を利用して,調光窓(スマートウィンドウ)やガスセンサー,新規なカラー表示素子等としての利用が検討されている.本講演では,当研究グループで開発した水素ガスにより色が変化する新たなガスクロミック調光膜について開発から応用までを紹介する.

ITE

産総研

胡 致維
電解析出銀によるプラズモニックマルチカラー調光素子とその表示不揮発性

反射型の情報表示デバイスは,印刷物のように周囲の環境光の反射を利用して画像を表示する技術であり,“眼への優しさ”や省電力などの観点から注目を集めている.我々は,銀ナノ粒子が表面局在プラズモン共鳴によって示す多様な色調を反射型表示デバイスに活かすため,電極上へ電気化学的に生成する銀ナノ粒子の粒径や形状を可逆に制御することを試みた.その結果,単一デバイスにおいて透明状態からミラー状態,黒状態,CMY 三原色にグリーンも加えた7 種の光学状態を可逆的に制御可能な銀析出型プラブモニックマルチカラー調光デバイスを見出した.講演では,同デバイスの表示不揮発化への取り組みも合わせて紹介する.

ITE

千葉大

中村一希
ITE

千葉大

小林範久
休憩
金属酸化物の薄膜干渉を利用した可視光領域で不可視、紫外光/赤外光領域では検知可能な二次元デジタル情報

デジタル情報を目に見えない形で埋め込むことが出来れば,バーコードやQRコードなどによる製品の外観のデザイン性を損なうことなく,セキュリティ性を向上させることが可能になる.本研究では,金属ニオブ表面の陽極酸化によって形成された酸化ニオブ薄膜の薄膜干渉による発色技術を応用して,可視光領域では不可視で紫外光赤外光領域では検知可能な二次元デジタル情報を形成する技術について報告する.

ITE

東海大

前田秀一
不揮発表示の可能性と将来

不揮発表示とは電源を切っても表示が残る特性であり,表示の保持に電力を使用しない点で,超低消費電力性を有する.電気泳動に基づくマイクロカプセル方式の電子ペーパーはその代表例と言える.エレクトロクロミック方式のデバイスも不揮発性表示が可能である.本講演では,新しいエレクトロクロミック材料であるメタロ超分子ポリマーとそれを用いたデバイスを紹介する.更に,不揮発表示デバイスの可能性と将来展望について紹介する.

ITE

物材機構

樋口昌芳

[企画セッション2]3次元ディスプレイ実現に向けた要素技術の動向
企画:マルチメディアストレージ研究委員会,情報ディスプレイ研究委員会,立体メディア技術研究委員会

高精細でリアルな3次元ディスプレイの実現を目指し、スピンSLM用の新規磁性材料、狭画素ピッチ液晶デバイス、光学系の工夫による3D映像提示、音響ホログラフィによる音響システムなど、川上から川下に至る幅広い研究を紹介いただく。

8月25日(木)9:50~12:00
会場A

座長:高田英明(長崎大),吉村 哲(秋田大)


開会
ITE

長崎大

高田英明
強磁性・強誘電薄膜を用いた新規な電圧駆動型の空間光変調器の基礎検討

本研究グループでは,BiFeO3系強磁性・強誘電薄膜において,サブミクロンサイズの電界印加による磁化反転を実現している.本技術を応用して,超低消費電力の次々世代空間光変調器の実現を目標に,強磁性・強誘電薄膜を用いた「電界印加による磁気Kerr効果制御」に関する試みを行っている.実現のための1つ目の方法として,磁気Kerr効果の大きい強磁性・強誘電材料薄膜の探索があり,磁気Kerr回転角に大きな波長依存が見られるものの,最大で1°を超える大きな値を有するものが得られた.2つ目の方法として,磁気Kerr回転角の大きい既存の磁性層を強磁性・強誘電薄膜上に積層させ,積層膜への電界印加により強磁性・強誘電薄膜の磁化反転を介して磁性層の磁化方向も反転させる『電界印加磁気転写』を提案しており,その検証にも成功した.

ITE

秋田大

吉村 哲
電子ホログラフィ立体表示用の超高解像度液晶デバイス技術の研究 ~ 高画質で実用的な立体表示システムの実現に向けて ~

高画質な電子ホログラフィ立体表示システムを実現するため,光の振幅/位相を制御する液晶空間光変調器の性能向上に関する研究を進めている.実用的な視域角の立体再生像を得るため,液晶配向弾性や電界リークを抑制できる画素間高分子隔壁構造や液晶材料を見出すとともに,微小画素でも安定な液晶配向制御法を開発した.それらにより,これまで困難とされてきた1μmピッチ駆動を実現し,デスクトップで有用な30°の視域角を可能とした.また液晶層の厚みムラ,隣接画素の連動効果,階調数などを考慮した光学シミュレーションにより,それらが再生像の解像度,コントラスト,ノイズレベルなどに与える影響を定量化した.その一方,ホログラフィの実用化で最大の問題となる干渉(スペックル)ノイズを抑制すため,液晶配向の自発的熱ゆらぎを活用した光位相擾乱素子を提案して,基本動作を確認した.

ITE

東北大

藤掛英夫
ITE

東北大

石鍋隆宏
ITE

東北大

柴田陽生
大規模スピーカアレイを用いた音響ホログラフィの応用

近年,ライブや演劇のように,多人数が同じ会場で同じコンテンツを視聴するアプリケーションに対し,前後左右に動き回る音響効果を付与して,没入感の高い体験を創り出す取り組みが行われています.
スピーカを制御することで音源の移動を表現する手法には様々なものがありますが,多数のスピーカを等間隔にならべて音像を制御する波面合成音響技術には,ライトフィールドディスプレイがマイクロレンズアレイ上に体積をもつ像を生成するが如く,スピーカより前面に飛び出す仮想の音源を生成する強みがあります.本講演では,ライブなど様々な応用例をご紹介しながら,大規模スピーカアレイを用いた当該技術の理論と実装についてお話しします.

ITE

NTT

堤 公孝
再帰性反射光学系を用いたパーソナル裸眼3Dシステムの基礎検討

表示対象があたかもテーブル上に実在するかのように提示できる360度裸眼3D表示は,スポーツのライブビューイングや工業製品のモデリング,遠隔教育など,幅広い応用が期待される.
これまでに,全周囲から観察できる3Dシステムが提案されているが,スクリーンの構造的な特徴から画質が大幅に低下し,解像度向上に向けて超高解像度のプロジェクタを多数用いている.また,観察者の上方などに投影用の大規模な構造物が必要になるなど,実用化に向けては大きな課題があった.
本講演では,画質や構造に有利な再帰性反射を適用することで,裸眼3D表示をシンプルな構造で高画質に実現する方法と,実機による基礎検証までの取り組みについて紹介する.

ITE

長崎大

高田英明
閉会
ITE

秋田大

吉村 哲

[企画セッション3](公財)福島イノベーション・コースト構想推進機構の取組について
企画:映像情報メディア学会東北支部

福島イノベーション・コースト構想の全体概要紹介と共に、重点分野(廃炉、ロボット・ドローン、エネルギー・環境・リサイクル、農林水産業、医療)を中心に産業振興・人材育成に関する具体的な取り組みについて、ご講演いただく.

8月25日(木)13:15-14:45
会場A

座長:松尾英一(東北支部庶務幹事/NHK)


(公財)福島イノベーション・コースト構想推進機構の取組について
ITE

福島イノベーション・コースト構想推進機構

山本慎一郎

[企画セッション4]2021年"熱かった夏"を振り返る ~スポーツビッグイベントの放送・通信技術~
企画:放送技術研究委員会

東京オリンピックで⾃国開催ゆえに必要な外国無線システムの使⽤状況とその監視体制、放送・通信の技術について紹介いただく。

8月25日(木)15:00~17:10
会場A

座長:斎藤恭一(NHK)


開会
ITE

NHK

斎藤恭一
東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会における周波数管理

東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の円滑な運営に資するため,総務省は,大会組織委員会と連携しつつ,大会において利用が想定される無線システムの周波数確保,それらの利用に必要な免許・検査,混信排除のための電波監視体制の強化にむけた検討を開始した.
本講演においては,総務省が行った取組について,周波数確保にむけた事前検討や免許検査の概要,電波監視の概要とその結果について説明を行う.

ITE

総務省

近藤直光
東京2020 テレビ朝日ユニの取り組み

コロナの影響により一年延期での開催となった東京2020大会.
無観客での開催が決定し,地元開催でも観戦ができない状況のなか,テレビ中継が果たさなければならない役割,また寄せられる期待にどれだけこたえることができるのか,模索しながらの中継放送を行いました.
テレビ朝日ユニの中継体制をご紹介いたします.

ITE

テレビ朝日

古寺智和
世界最大のスポーツイベントにおけるドローン映像中継の試み

NTTは2021年,超高臨場感通信技術Kirari!の技術および, 5G(第5世代移動通信システム)を活用した新たなスポーツ観戦体験を提供するプロジェクトに取り組みました.
本発表では,江の島ヨットハーバーで行われたセーリング競技において,レース会場間近で撮影した超ワイド映像を江の島の観客席へ伝送することで,あたかもレースのすぐ近くで観戦しているかのような臨場感を提供する新しいスポーツ観戦体験について, 特に5Gとドローンを組み合わせた映像伝送部分を中心にご紹介いたします.

ITE

NTT

千明 裕
閉会
ITE

NHK

斎藤恭一

【フェロー記念講演】

映像情報メディア学会には,テレビジョンを含む映像情報メディアに関する学術および産業分野の発展・普及・振興あるいは本学会事業の発展に対して,特に貢献が顕著と認められる会員に高い尊敬と深い感謝の意を表するための制度として,フェロー会員の認定制度があります.本企画では,新たにフェローの称号が贈呈されました皆様を講師としてお招きし,映像情報メディア技術の発展に寄与した業績をご講演いただきます.


11C-5[フェロー記念講演]機械工学から画像工学,そして医工学分野へ~研究には回り道も必要?~(予稿なし)

大学で専攻した機械工学から卒業研究では画像処理に興味を持ち,企業に入社した後は,CG関連や医療応用の仕事を手掛けた.その後,大学に移籍して画像工学を柱とした研究(画像処理,画像認識,CG,シミュレーションなどの研究)を行っているが,物理シミュレーションや医療応用などの研究遂行上,画像処理やCGの技術だけでなく,大学で習得した機械工学の知識が大いに役立っている.近年における研究分野はますます複合化しているため,一見回り道と思えることでも総合的な見地から結局は役立つことを実体験に基づいてお話しする.

ITE

東京都市大

向井信彦