シンポジウム,デモ展示など特別イベントに関しての情報を掲載しております。
タイムテーブルに関しましては、こちらのページにて詳細をご覧いただけます。
[創立70周年記念講演会]映像情報メディアのグランドチャレンジ(参加無料)
企画:創立70周年記念事業WG
昭和25年の創立以来,当学会は2020年に70周年を迎えた.この10年で映像情報メディアは,新4K8K衛星放送の開始,動画配信サービスの普及,5Gのサービス開始,AR/VRやAIの進展など,実に大きく進化した.本学会では,これまでの10年間の活動を振り返り,この先の10年間を展望する特集号を,学会誌2020年9月号に組んだ.また本記念講演会では,情報センシングやコンピュータビジョンに関わる自動運転技術についての記念講演と,ネット動画配信の動向に関する記念講演,そして研究委員会の今後10年間のグランドチャレンジに関する報告で構成した.参加者には,映像情報メディアがチャレンジする未来像を描いていただければと,願っている.
12月23日(水)14:00~17:15
会場A
総合司会:松田一朗(東京理科大)
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開会の挨拶
映像情報メディア学会会長/NHK
児野昭彦
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[記念講演1]すべての人に移動の自由を ~ トヨタの自動運転技術開発の取組み ~
[プロフィール]
1993年 トヨタ自動車に入社.車両運動性能開発等を経て,シャシー制御開発を担当.さらにパワートレイン系統合制御他幅広く制御システムの開発を経験.そして,2014年より自動運転技術,先進安全技術の開発を担当.現職は,トヨタ自動車 先進技術開発カンパニー 先進安全領域 統括部長,及びTRI-AD取締役 CTOを務める.[概要]
未来のモビリティ社会を支える技術として期待が高まる自動運転.近年,技術の飛躍的進化と社会の強い後押しに伴い実現に近づいているが,それと同時に,グローバルな開発競争は更に激化している. 本講演ではすべての人が安全,スムース,自由に移動できる社会の実現を目指すトヨタの自動運転技術開発の取組みを示し,技術の実用化に向けた課題や社会へのインパクトについて語る.トヨタ・リサーチ・インスティテュート・アドバンスト・デベロップメント
鯉渕 健
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[記念講演2]より高品質なメディアサービスを目指すABEMAの技術進化
[プロフィール]
株式会社サイバーエージェントの Developer Expert in Video Technology and Product Designを担うエンジニア.米国カリフォルニア州立大学サンバーナーディーノ校でグラフィックデザインを学び,大手IT会社にてマーケティングとデザイン業務に従事した後,現職でエンジニアに転向.『MonoGrapher』『Ameba Ownd』『AbemaTV(現ABEMA)』など複数のサービス立ち上げに携わる.現在は『ABEMA』開発本部にて動画技術戦略に従事している. Twitter: @ygoto3_[概要]
ABEMA では日本を代表するメディアになることを目標に,日々新しい技術的な試みを行い,進化してきました.開局から4年半が経ち,インターネットテレビ局としてベースラインに必要な機能を網羅するフェーズを終え,より高品質なメディアサービスへと進化していくフェーズに入りました.また,コロナ禍で世界中に起こっているライフスタイルや価値観の変化の中,動画配信サービスに対する品質の捉え方も多様化し,動画配信における技術トレンドに確実な変化も現れています.ABEMA も変化に応えるため従来の優先度とは異なる技術的進化が求められています.しかし,1490万WAU(Weekly Active Users)を抱えるサービス規模へと成長し,コンテンツエンジニアリング,配信インフラ,アプリケーション,アドテクノロジー,制作など多くの技術コンポーネントが絡み合ってサービス品質を左右するため,進化は簡単なことではありません.この講演では,ABEMA の技術進化に対する取り組みを,品質に関わる技術コンポーネントを紐解きながらお話します.サイバーエージェント
五藤佑典
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休憩
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報告「研究委員会の今後10年間のグランドチャレンジ」(3研究会より)
進行:滝嶋康弘(KDDI総合研)
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情報センシング研究委員会
情報センシング研究会は,画像の入力装置の「目」に相当する撮像素子(イメージセンサ)を主な研究対象としている.その研究対象は,フォトンや電子の結晶中の挙動のような物理現象や,その製造プロセス,デバイス構造,電子回路の構成から,得られた情報を処理するアルゴリズムとその回路実装方式にまたがる,非常に幅広い分野が複合していることが特徴である.本講演では,その中から,今後10年間に興味深い進化が期待される分野として,撮像と処理の統合,単一光子計測,高速撮像,コンピューテーショナル・イメージングの4つを取り上げ,現状をふまえて将来を展望する.
金沢大
秋田純一委員長
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放送技術研究委員会
この10年間にアナログテレビジョン放送が終了し,新4K8K衛星放送が開始された.放送技術研究会ではこの大変革を支え,さらにその将来を担う研究開発が活発に行われた.無線・光伝送技術に関する要素技術の研究開発では,MIMO関連技術,放送方式では,世界初のUHF帯での8K伝送実験,放送現業においては放送と通信が連携したハイブリッドキャストサービスの開始,などが挙げられる.本講演ではこれらの紹介に加え,今後の進展が期待される分野として次世代地上デジタル放送,可視光通信,AR/MR/VRなどのXR技術,5G以降のワイヤレス技術の活用などを取り上げ,将来を展望する.
京大
村田英一副委員長
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メディア工学研究委員会
メディア工学研究会では,映像・画像処理技術全般を対象に,基礎理論から社会応用までを扱っている.メディアの理解・活用という点で,この10年では,DeepLearning等の登場により,映像解析技術に著しい進展が得られている.本講演では,このような大きな技術の変化を背景としつつ,メディア工学分野の今後10年間のグランドチャレンジという観点から,巨大なメディアデータの認識理解,メディア生成とその真正性判定,自律的に進化するメディアAIの実現,教師データの定義・生成が困難な課題への対応,技術進歩と社会への適合という5つの話題について,これまでの関連研究や社会適用に向けた動向,そして今後の発展に向けて解くべき課題やアプローチについてご紹介する.
NTTコミュニケーションズ
田良島周平幹事
富士通研
石井大祐委員
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閉会の挨拶
創立70周年記念事業ワーキング主査/NHK
今井 亨
[企画セッション1]目と物体の間に存在する光学特性を変える光学デバイス
企画:映像表現&CG研究委員会,大会実行委員会
近年,目と物体の間に様々な光学特性を変える光学デバイスを配置し,物体像を空中に浮遊しているように表示したり,メガネに液晶レンズを付加し,光線を変えて遠近用のレンズにするなど,様々な光学素子が登場している.
これらの光学デバイスについて,機能や原理および実用的なサービスの可能性にフォーカスを当てて,企画セッションとする.
12月22日(火)9:15~12:00
会場B
座長:岡市直人(NHK),石井紀彦(NHK)
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オープニング
NHK
岡市直人
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空中ディスプレイの基礎と最新動向
空中ディスプレイは,数々のSF映画で描かれてきたように何もない空中に映像を表示する技術です.新型コロナウイルスによりもたらされたニューノーマル(新しい常態)においてウイルスの感染経路を断つ手段として空中映像を操作パネルに用いたタッチレス操作パネルが注目されています.本講演では,まず,スクリーンや霧などの拡散体を用いることなく空中に浮遊する映像が見える原理についてやさしく説明します.次に,空中ディスプレイを用いた視線一致インターフェースや複数視点表示など,空中ディスプレイを機能化する光学設計を解説します.さらに,国際標準化を含む最近の動向と今後の展望について述べます.
宇都宮大
山本裕紹
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パリティミラーを用いた空中映像表示と応用
2面コーナーリフレクタアレイ構造を持つ結像光学素子であるパリティミラーは,面対称位置への空中映像表示を可能とする.各種センサーと組み合わせることで非接触ユーザーインターフェースを実現でき,手指衛生性・防汚性に優れた機器操作を可能とするため,昨今世界中で猛威を振るう新型コロナウイルス等の感染症の接触感染対策として関心が高まっている.本講演ではパリティミラーの基本的な原理について説明し,製造等の実情や非接触ユーザーインターフェースへの応用に関する㈱パリティ・イノベーションズでのこれまでの取り組みを紹介する.
パリティ・イノベーションズ
前田有希
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再帰反射を利用した空中ディスプレイ技術の製品応用検討
未来の表示装置として期待される空中映像技術について,製品化を想定し研究開発した空中ディスプレイ試作機を紹介する.我々は再帰反射を応用した空中表示技術を採用することで,表示サイズや視野角などの表示品位のカスタマイズ性の高さを活かした,多様なニーズに即した空中ディスプレイの製品化構造の検討を実施している.本講演では,「大型空中ディスプレイ」と「空中タッチディスプレイ」の異なる2つの試作機開発を通して,製品化に必要な要素技術を説明する.また空中映像表示技術の将来的な社会実装について,想定される適用先や,解決すべき課題などについて考察した内容を説明する.
三菱電機
菊田勇人
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休憩
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累進レンズと電子液晶レンズの融合による次世代遠近両用メガネTouchFocusRの開発
現代のシニア世代は肉体的にも精神的にも若くなっていると言われるが,視覚の衰えは誰もが避けて通れない課題である.従来の遠近両用メガネはその特性のため,時には視線を下げたり,メガネをずらしたりしなければならず,メガネを掛けること・物を見る際の仕草を通して,年齢を重ねていることを再認識してしまうことがあった.TouchFocusRは電子液晶レンズにより,広くて自然な遠方・中間距離の視界と自然な視線で快適な近方距離の視界を実現している.本講演では,オーバル型からフラットトップ型に進化した,電子液晶レンズとTouchFocusRの普及拡大に向けた取組みを報告する.
三井化学
村松昭宏
三井化学
七条司朗・岡田好信・彦坂英一郎
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薄型プラスチック導光板を用いた超軽量スマートグラス
今回我々はスマートグラスの軽量化,特に重量バランスを考慮し,さらにデザイン性を向上させた両眼型シースルータイプのスマートグラスの開発を行った.その結果,対角で40度の表示ができるにもかかわらず前方重量27g程度と一般的なスマートグラスの前方重量が65g以上であるのに対して軽量化することができた.
本講演ではこの軽量化を実現可能にした2つの新しい光学技術である薄型プラスチック導光板と中間像つる光学系について紹介する.リコー
中村直樹
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高輝度・高シースルーARグラスを実現するABSA導光板技術
作業支援への活用が進んでいるARグラスにおいて,屋外使用可能な高輝度と,実用性(高シースルー,小型,広いアイボックス)を両立したABSA導光板技術を開発した.本研究では,ミラーアレイ構造を有し,小型プロジェクタからの映像光を部分反射ミラーで高効率に伸張してアイボックスを広げるABSA導光板を開発した.本技術を搭載したHMD光学モジュールを試作し,高輝度(> 5000 nits),高シースルー(94%)かつ軽量(35g)なARグラス光学モジュールを実現した.発表では本ARグラスを用いた作業支援アプリケーション活用例も交えて報告する.
日立
中村俊輝
日立
久野拓馬・鵜飼竜志・中道 拓也
日立 エルジ ー データ ストレージ
毛利考宏・大石耕太郎
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クロージング
NHK
石井紀彦
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[企画セッション2]KIBME/ITE Joint Session ~ Broadcasting Technology and Media ~ 日韓の地上放送高度化の現状と課題(講演言語:英語)
企画:大会実行委員会 協力:放送技術研究委員会
December 22 , 2020
Room B
Chairman
Hiroki Takahashi(Univ. of Electro-Communications)
Jong-Il Park(Hanyang Univ. )
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Chairperson greeting
Univ. of Electro-Communications
Hiroki Takahashi
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Broadcasting Service technologies R&D in South Korea
Explanation regarding Korea’s Broadcasting & Media service status and Introduction to Broadcasting & Media technology R&D plan in Korea.
Institute of Information and Communications Technology Planning & Evaluation(IITP)
Yeunbae Kim
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Current status and future improvement of the terrestrial broadcasting service based on ATSC 3.0 standard in Korea
It has been almost 4 years since Korea started terrestrial UHD main broadcasting based on ATSC 3.0 standard in May 2017. Currently, various technologies are being developed utilizing the multi-channel, mobile, and interactive features of the ATSC 3.0 standard. Also, various service models are created through the connection between ATSC 3.0 broadcasting and 5G communication networks, and a project to demonstrate them is being promoted in Jeju Island. Based on this, I would like to discuss the future direction of Korea’s service development.
Korean Broadcasting System (KBS)
Sungho Jeon
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Evolving media tech from broadcasting to massive personal casting
“From terrestrial/satellite broadcasting to CATV/IPTV, there’s meaning around each technological change in market and business.
As we passed Internet and mobile era, “Personal” media consumption is well accepted and understood as a common feature we can enjoy personally.
This special year, we’re experiencing ever isolated situation due to Covid-19. But because they’re human being, they have to connect with others remotely as safe as possible in business and personal life.
This phenomenon make a huge impact on progress of media tech evolution and produce lessons learned.
It is valuable sharing what’s been changed in our research direction and discuss future change required around today media system and technology.”SK Telecom(SKT)
Sangbum Lee
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ATSC 3.0 based Terrestrial 8K-UHD Distribution
This presentation introduces ATSC 3.0 based terrestrial 8K-UHD distribution. For the efficient delivery of 8K-UHD contents through OTA, three possible methods below will be briefly explained and compared:
– Two RF Channel Bonding
– X-Polarized MIMO
– SHVC based Convergence of OTA and OTTElectronics and Telecommunications Research Institute (ETRI)
Sung-Ik Park
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Break time (Chairperson change)
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Chairperson greeting
Hanyang Univ.
Jong-Il Park
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The current status of the next-generation DTTB in Japan
In Japan, new 4K8K satellite broadcasting started in 2018, but terrestrial television broadcasting uses the technology of about 20 years ago. Since 2019, the Ministry of Internal Affairs and Communications is studying technical policies for effective use of broadcasting frequencies in order to study technical standards for next-generation digital terrestrial television broadcasting together with broadcasters. Introducing the current status of the next-generation DTTB in Japan.
Ministry of Internal Affairs and Commnications
Hiroki Taniguchi
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A study on the transmission system of an advanced ISDB-T
4K/8K ultra high definition television (UHDTV) commercial broadcasting via satellite was launched on December 2018 in Japan. We are now working to realize UHDTV service on terrestrial broadcasting. An advanced Integrated Services Digital Broadcasting-Terrestrial (ISDB-T) is a next generation digital terrestrial television broadcasting (DTTB) system under development in Japan. Japan Broadcasting Corporation (NHK) has been conducting research and development on the transmission technology of the advanced ISDB-T which enables UHDTV service for fixed reception and HDTV service for mobile reception within a single channel. While inheriting the features of current ISDB-T, the advanced ISDB-T adopts new ideas and recent technologies to improve the transmission performance. For example, the expansion of occupied bandwidth and the new segmentation structure contributes to the increase of transmission capacity and flexible selection of the bitrate depending on the required service quality. Newly designed low-density parity-check (LDPC) code and nonuniform constellation (NUC) achieve the spectral efficiency nearby the Shannon limit. To standardize the system and start new broadcasting services, we are now confirming the performance and each functions of the advanced ISDB-T by various experience including actual field tests. In this presentation, (1) R&D history, (2) Concept and features, (3) System parameters and basic performance of the advanced ISDB-T will be introduced.
Japan Broadcasting Corporation(NHK)
Kohei Kanbara
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A study on technical method to transmit ISDB-T and 4K broadcasting on the same channel by using LDM system
In Japan, it is difficult to newly secure the 4K terrestrial broadcasting channel, so it is required to study the way to migrate to 4K terrestrial broadcasting utilizing the existing terrestrial broadcasting channel. In this study, ISDB-T is superposed on the high power layer of LDM(Layered Division Multiplexing) and the next generation 4K broadcasting is superposed on the low power layer of LDM. In this paper, we report on the results of our development study and transmission experiments.
Tokyo Broadcasting System Television,INC.(TBS)
Takeshi Anazawa
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Hybrid system of 4K and current HD DTTB
A study on a technique to transmit 2K and 4K on the same channel by using the three layers segment division MIMO/SISO method” In Japan free space of frequency is very small. So, we think it is difficult to implement the terrestrial 4K broadcastig by using new channel ,and we are developing the three layers segment division MIMO/SISO system from the viewpoint of effective use of frequencies.
This idea is very simple and innovative. 4K transmission is possible based on extending the ISDB-T.2k and 4K signals can be transmitted at the same frequency in the 6 MHz band.
MIMO system is a technique to transmit 2K as a horizontal polarized wave and 4K as both horizontal and vertical polarized waves.SISO system is a technique to transmit 2K and 4K as only a horizontal polarized wave by using VVC encoding for 4K.”Kansai Telecasting Corporation(KTV)
Iwao Namikawa
[企画セッション3]映像情報メディアの発展を支えるイメージセンサ
企画:情報センシング研究委員会
近年,AIなどで競争がますます激化する半導体業界で,日本が世界をリードする分野としてイメージセンサがある.
本企画では,日本のイメージセンサ分野を築き上げてきた先生方にその技術の本質を秘話などを交えながらご講演いただくとともに,今後のイメージセンサの展望や学会の役割・在り方など幅広くお話しいただく.
12月22日(火)15:00~18:00
座長:秋田純一(金沢大),大竹 浩(ナノルクス)
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オープニング
金沢大
秋田純一
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光学素子としてのイメージセンサ
固体撮像素子の開発は1960年代半ばから始まり,今日に至るまで綿々と続けられ,携帯電話を始め,あらゆる場面で使用されるほど成功を収めている.固体撮像素子には,入射光が光電変換されるまでは光学素子,光電変換後は電子デバイスとしての側面がある.光学素子としては,感度向上,カラー化,光学的クロストークの防止,偏光などの新機能などの機能がある.開発の初期の段階では電子デバイス機能に重点が置かれていたが,本格的な実用化時期になると,光学素子機能の向上が重視されるようになった.現在の固体撮像素子開発ではさらにその重要性が増している.本講演では,光学素子としての側面から固体撮像素子開発の歴史を振り返りたい.
兵庫県立大
寺西信一
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CMOSイメージセンサの感度・飽和・撮影速度・分光感度帯域性能の追究
高感度,広ダイナミックレンジ,高速,広光波長帯域といったイメージセンサの基本性能をすべて圧倒的に高め,物理限界レベルの極限性能を有するイメージセンサ技術を世界に先駆けていち早く実用化し産業界に提供していくことを目指して,新規なイメージセンサ技術の開発研究に取り組んでいる. 極限性能を有するイメージセンサ技術は「見る世界」を根本から変えると同時に,防災・防犯,産業計測,材料,ライフサイエンス,健康・医療,農業・食品,車載,宇宙・環境などのさまざまな分野で,豊かで安全・安心な社会の実現に向けて大きく貢献するものと期待される.本講演では,最新の開発研究の成果を紹介する.
東北大
須川成利
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マルチタップイメージセンサの技術動向と展望
マルチタップイメージセンサは,ピクセル内に複数の光電荷蓄積部を持ち,光変換部から蓄積部に対して高速に繰り返し電荷転送を行う機構(タップ)を備えたイメージセンサであり,最近Indirect Time of Flight(iToF)測距撮像を始め,その高い機能性を活かした新しい撮像技術が生まれ,実用化が進んでいる.本講演では,信号タップに加え,高速に光電荷を捨てるドレインタップを備えてより機能性を高めたマルチタップイメージセンサの技術動向と,これらのセンサが切り拓く新しいToF測距撮像(ハイブリッドToF)や非接触心拍変動計測,3D顕微動画撮像,近赤外分光,蛍光寿命計測等の時間分解撮像技術の動向と今後の展望について述べる.
静岡大
川人祥二
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休憩
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イメージセンサのバイオメディカル応用
CMOSイメージセンサの高性能化,高機能化に伴い,そのバイオ分野や医療への応用が活発化してきている.従来イメージセンサのバイオ医療応用は,光学顕微鏡に取り付けたカメラとしての役割が主であった.一方,イメージセンサをより生体に近づける,直接生体系に接する,あるいは生体内に埋植することで,これまで取得が困難であった生体情報を得ることが可能となる.講演者は早くからこのような生体と一体化したCMOSイメージセンサのバイオメディカル応用,例えば人工視覚,脳内埋植イメージングデバイスなどの研究に取り組んできた.本講演では,講演者の開発事例を中心に,現在の開発状況と今後の展望について述べる.
奈良先端大
太田 淳
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イメージセンサと局所適応型画像処理の開発とその展望
イメージセンサ開発が進むにつれ,センサと画像処理,深層学習を含んだシステムとしての応用にも注目が集まっている.講演者はイメージセンサにおける広ダイナミック圧縮,I/F,特殊用途開発とともに,そこに直結する輝度変換処理についても研究を進めてきた.その中で,画像のグローバル特性と個々の画素値を適応的に制御するローカル手法,さらにノイズ抑制が,一つの輝度空間の関数で統一できることを見出した.この技術は,通常画像の補正のみに留まらず,監視・車載・医療など様々な応用が期待できる.本講演では,センサ開発事例とともに輝度変換処理の変遷と深層学習の組み合わせを含む今後の展望について述べる.
北大
池辺将之
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クロージング
ナノルクス
大竹 浩
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[企画セッション4]アフターコロナにおけるローカル5Gがもたらすイノベーション
企画:アントレプレナー・エンジニアリング研究委員会
ローカル5Gが目指すニューノーマル,技術課題,社会課題について,ユースケースを概観しつつ議論する.
12月23日(水)9:30~11:45
会場A
座長:樺澤 哲(サンブリッジグローバルベンチャース)
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開会
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ローカル5Gを活用したスマートファクトリー実現にむけた取組み
通信キャリアが提供する(パブリック)5Gに対し,5Gが持つメリットを企業や自治体が自らの課題やニーズに合わせて独自にカスタマイズして設計・運営することができるローカル5Gは産業DX化やSociety5.0の実現のイネイブラーの一つと目されており,JEITA(電子情報技術協会)の予測によると関連市場規模は2030年には世界では10.8兆円,1.3兆円まで大きく成長する可能性があるとされています.
日本では2019年12月からローカル5Gの免許申請受付が開始され,2020年はコロナ禍の中にあっても様々な自治体や企業が実証実験に挑戦する一年となりました.NTT西日本においては山口県さま,および,および山口県下の先進的な製造企業であるひびき精機さまと連携協定を締結し,実際の工場環境にローカル5Gシステムを構築し,工場業務の省人化やDX化に現場の皆さまと一緒に取り組んでノウハウを蓄積してきました.
本講演ではローカル5Gの活用による産業の発展が最も期待される業界の一つである製造業の分野におけるNTT西日本の取組み,今後の展望を実環境での事例をもとにお話しします.NTT西日本
市橋直樹
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5Gと遠隔診療
コロナ渦の中,オンライン診療という言葉が近頃はよく話題になりますが,これは遠隔医療の一形態です.
オンライン診療がなぜ近頃話題になるのか.
遠隔医療はそれ以外にどのような形態があるのか.
遠隔医療に映像情報メディアはどのように関与してくるのか.
5G,以前と以後で遠隔医療はどのように変化するか.
オンライン診療の未来像はどのようなものか.
遠隔医療の未来像はどのようなものか.
遠隔医療によって社会がどのように変革していくか.
多くの疑問があると思います.
このような疑問に応えるべく,演者の研究開発経験をもとに与えられた時間内でなるべく詳しくお話しいたします.スリーゼット
川崎広時
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5G時代の中小建設業の草の根イノベーション
我が国建設業界で国交省による“i-Construction”を政策的支柱に,ICTを活用した生産性向上の動きが活発化している.本報告では,映像情報の活用による中小建設業のプロセス革新とカイゼン活動導入促進を展開する事例をもとに,生産性向上の論点を整理してみたい.
応用技術
渡辺健司
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開会
[企画セッション5]メディアエクスペリエンスに関する取り組み
企画:放送技術研究委員会,大会実行委員会
SNS,動画配信サイトは,若年層への浸透がいっそう進み,コロナ禍の新しい芸術・芸能の表現の担い手としてもよりその存在感を増している.若者は常に新しい体験,新しい表現を求めており,放送業界においても若いエンジニアが,ユーザーの新しい体験を追求した取り組みを気軽にできる場が,必至となっている.海外では,既にインタラクティブメディアクスペリエンスの研究という分野が注目を集め,活動も活発である.
本企画では,人間とコンピューターの相互作用,マルチメディアエンジニアリングとデザインからメディア研究,メディア心理学および社会学に至るまで,幅広い分野について,取り組みの大小に関わらず,共有できる場としたい.
また,実際のサービスにおけるユーザーエクスペリエンスの設計思想,サービスへの反映,評価,開発時の工夫等を,今春にサービスを開始したNHKプラスの担当者を招待し,利用者の反応等を交えて講演いただく.
12月24日(木)13:10-16:45
会場A
座長:藤井亜里砂(NHK)
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オープニング:概要,趣旨説明
NHK
藤井亜里砂
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ドローンによる映像表現とエクストリーム環境下での映像メディア
ドローンという言葉で普及している,小型無人航空機(UAV)を用いたいた空撮映像が新しい映像表現として世間で広く使われ始めています.本セッションでは,自身がドローンを実際に様々な現場で運用した経験から,遠隔移動体における映像伝送のユースケースやニーズについて紹介します.また,4G/5G環境を前提とした,アップロード側がピーキーな環境下におけるWeb映像配信について紹介するとともに,将来的な放送技術との連携の可能性について議論します.
慶大
水野史暁
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生活に溶け込むコンテンツ体験を目指して
ライフスタイルが多様化した現代において,放送局は,すべてのユーザーに対して一様に動画コンテンツを提示するだけでなく,各ユーザーが生活の中で自然とコンテンツに触れることができる様にする必要がある.本報告では,当研究所がこれまでに行ってきた取り組みを紹介する.
NHK
小川展夢
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放送DXがもたらす新しいメディア体験
音声認識AIを利用して取材や放送の音声を即時に文字化する「もじこ」「もじぱ」や音声・ニュース原稿から「いらすと調」キャスターのアニメーションを作成する「いらすとキャスター」,web会議システムを応用して番組へのリモート出演を支援した「TBS Bell」など,番組を作って送り出すだけでない,若き放送局エンジニアが開発した,“ワザ”をご紹介します!
TBSテレビ
髙林 徹
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放送・ネット連携による次世代のテレビ番組を考える
放送とネットを連携させた新しいテレビ体験の例を紹介し,次世代のテレビ番組について考える.
最新の実用例として,テレビでインタラクティブな全天球画像を楽しめる旅番組,放送と連動した配信映像に切替視聴が可能な番組,放送とスマートフォンで低遅延配信技術を用いたマルチアングル映像を楽しめるスポーツ番組等を紹介する.これらの番組に特有の技術課題を挙げ,課題解決のための実装方法を解説するとともに,Webや動画配信,クラウド等の要素技術が放送番組でどのように生かされているかを示す.さらに,視聴者が声で回答できるクイズ番組や,SNSのメッセージをテレビに表示する研究例を通して,次世代のテレビ番組について考える.フジテレビ
伊藤正史
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テレビ×IoTデバイス連携サービスの取り組み紹介
視聴者とのタッチポイントを増やすため,テレビとIoTデバイスを連携させるサービスについての研究・試作に取り組んでいます. これまでに取り組んだ3つの事例(スマートスピーカー,コミュニケーションロボット,スマートウォッチ)を題材にして,研究・試作するに至った背景・経緯と適用技術,また技術的課題やサービスシナリオ等について,実際のデモ映像を交えて紹介します.
テレビ朝日
金本俊範
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テレビとデバイスが連携した新しい世界
ABCテレビ
髙木 衛
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休憩
[企画セッション6]2019年度各賞受賞企業によるデモ展示動画(Web公開)
2019年度に当学会が主宰する各賞を受賞された企業の方々のご協力を得て,デモ動画紹介企画を行うこととしました.いま放送の現場で用いられている技術や,次世代の放送を予感できる技術,そして研究の最前線の技術について,それぞれデモ動画を通してわかりやすく,親しみやすくご紹介いただきます.各企業でどんな研究開発が行われているかについて,企業の特色も垣間見ることができ,大学関係者,学生の皆さんにも貴重な機会となっています.
[出展デモ]8件
[動画公開期間]2020年12月22日(火)~24日(金) [大会期間中]※一部2021年1月末まで公開予定.
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進歩開発賞(現場運用部門)
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クラウドを活用した「総合コンテンツ管理システム」の構築
公開終了
フジテレビ
総合コンテンツ管理システム検討プロジェクト
井村紀彦・伊東北斗
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ハイブリッドキャスト専用サーバーの開発
公開終了
関西テレビ,関西テレビソフトウェア
栗山和久,大山 悟,山本道雄
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WEB アプリ「もじこ」~音声認識AI による文字起こしエディタ
公開終了
TBSテレビ
TBSもじこラボ
代表:小林祥子・稲川太郎
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進歩開発賞(研究開発部門)
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FM同期放送用SFNフィールドアナライザの開発と実用化
公開終了
山口放送,日本通信機
SFN フィールドアナライザ開発チーム
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迅速・正確な報道を支援する字起こしシステムの開発
公開終了
NHK,NHKエンジニアリングシステム
音声認識グループ
代表:三島 剛,佐藤庄衛
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コンテンツ技術賞
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AI とVideo OCR によるリアルタイム日本語変換システム
公開終了
テレビ朝日,AI inside
AI Video OCR Project
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フロンティア賞
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視点追従インテグラル3D ディスプレイの開発
公開終了
NHK
視点追従インテグラル3D開発グループ
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次世代テレビ技術賞
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テレビ映像と同期した自由視点AR コンテンツのリアルタイム伝送技術の開発
公開終了
NHK
河村侑輝
【フェロー記念講演】
映像情報メディア学会には,テレビジョンを含む映像情報メディアに関する学術および産業分野の発展・普及・振興あるいは本学会事業の発展に対して,特に貢献が顕著と認められる会員に高い尊敬と深い感謝の意を表するための制度として,フェロー会員の認定制度があります.本企画では,新たにフェローの称号が贈呈されました4名の皆様を講師としてお招きし,映像情報メディア技術の発展に寄与した業績をご講演いただきます.
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12D-6[フェロー記念講演]番組素材中継用伝送システムの研究開発および標準化(予稿なし)
番組素材中継用伝送システム(FPU, Field Pickup Unit)は,緊急報道やスポーツ中継,音楽番組などの映像伝送を担う中核的な番組制作機器となっている.筆者はOFDM技術を用いたマイクロ波ハイビジョンFPUの研究開発にいち早く取り組み,伝送方式の標準化に貢献した.また,ミリ波を用いたMIMO伝送技術に取り組み,低遅延で高画質なワイヤレスカメラシステムの実現に貢献した.これら,FPUやワイヤレスカメラシステムの研究開発や標準化の取り組みについて解説する.
NHKテクノロジーズ
池田哲臣
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13C-1[フェロー記念講演]人と同じように見る、人以上に見る難しさ(予稿なし)
人の目と脳で行っている目視検査などの作業をカメラとPCによる画像処理システムに代替させようとすると,何故かうまくいかない場合があります.本講演では,講師がこれまで取り組んできた似顔絵生成システムなどの視覚感性情報処理の研究を通して人と同じように見る難しさについて考えるとともに,最近,注目されているサーモビジョン画像や3次元点群データなどを利用して,人以上に見る技術の一例を紹介します.
愛知県立大
村上和人
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32C-1[フェロー記念講演]これまでの研究開発の取り組みを振り返って(予稿なし)
これまで20年以上に渡って取り組んできたデジタル動画像の圧縮,加工,伝送技術の研究開発や,これらを実用システム上で実装・実用化の促進を行ってきた取り組みについてご紹介します.また,AR /VRなどの手法を取り入れた動画像応用システムの開発や,ケーブルテレビサービスの高度化のためのオープンプラットフォームの技術開発などの取り組みについてご紹介します.
KDDI総合研
柳原広昌
【招待講演】
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33D-5[招待講演1]世界をリードする情報とは ~ 日本柔道ナショナルチームの経験から ~(予稿なし)
競技スポーツにおいて,選手が最高の成績を達成するためには,選手の身体的・技術的・戦術的・精神的要素が包括された総合的な最高準備状態の発展を管理することが求められる.エリート選手の状態の評価に関しては,医師や科学者の関心が非常に高く,様々な生理学的な検査(侵襲的なものやウェアラブルセンサなど)が提案され,実施されてきた.しかしながら,このような検査は,そのほかの情報と統合されることはなく,個別に評価されて,コーチや選手に提供されてきた.このような断片的で一方向的な情報が増えたとしても,選手やコーチの負担が大きくなるだけで,パフォーマンスの向上に貢献することはできない.本講演では,日本柔道ナショナルチームの経験から学んだ世界をリードするための情報活用について紹介する.
了徳寺学園医療専門学校/了徳寺大
石井孝法
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33D-6[招待講演2]女子バスケットボールにおける映像情報を用いたリモートコーチング ~ コロナ禍における学生支援を振り返って ~
コロナ感染症の流行によって,この4月以降に開催予定であった多くスポーツの大会が中止となり,スポーツ現場では,練習はおろかメンバーで顔を合わせることさえもできない状態が長期に渡り続いた.
本講演では,コロナ禍における本学女子バスケットボール部の活動に焦点を当てて,このチームメンバーとのコミュニケーション確保,モチベーション維持などのメンタルケアをはじめとして,トレーニング,戦術内容の共有など活動再開時にスムーズとなるように,そして短期期間の準備を前提に少しでもベストに近い状態で試合に臨めることを目的に取り組んだ内容と,その最中での試合及び練習等の映像活用事例を報告する.そして,ここから得られた知見が大学の正規の課程(授業)にも生かされることについて考察する.日体大
木下佳子