会長からのご挨拶

会長からのご挨拶

会長 児玉圭司

前 日本放送協会 理事・技師長

【会長就任挨拶】

2023年5月26日に開催された定時社員総会において、映像情報メディア学会の会長職を拝命いたしました。身に余る光栄であり、伊丹前会長が残されました足跡をしっかりと踏まえ、会員の皆様とともにより一層学会を発展させるよう努力してまいる所存です。

今年は、テレビ放送開始から70年という節目の年です。当学会は古くはテレビジョン学会として設立され、その後、メディアの発展とともに映像情報メディア学会へと改称されました。今日では、映像・音声や表示・表現分野などの技術革新が進む中、広範な研究領域を網羅する当会は重要かつ不可欠な存在だと実感しています。

映像情報メディア学会は、放送、通信といったインフラ分野から、映像技術や映像に関わるデバイス映像表現、それらを高度化するための情報処理、人工知能、またそれらを受け取るためのヒューマンインタフェース、さらには事業創造のためのアントレプレナーシップなどの分野をカバーしています。そのため、本学会のイベントでは、さまざまな研究者や企業が参加し、多様な意見交換が行われています。私たちは、映像情報メディア学会を、幅広い分野にまたがる学術的な交流の場として今後も発展させていく使命があると考えています。

2020年以降、新型コロナウイルスの感染拡大により私たちの活動も大きな影響を受けてきましたが、WHOが緊急事態宣言を終了し、国内でも感染症法上の位置づけが「5類」へ引き下げられました。私たちの活動もコロナ禍前に戻し、さらに活性化していく1年にしていく必要があります。すでにオンラインでの年次大会、ハイブリッドでの冬季大会開催により、現地で、そして遠隔で多くの研究者同士が交流することのメリットが確認されてきました。これまで培ってきたノウハウを生かし、より効率的で参加しやすいイベントを開催していきたいと思います。また、研究会、大会の実施に加えて本会は会誌・和文論文誌、英文論文誌の発行を行っており、最新の情報・話題の提供、最新の研究成果の掲載に引き続き力を入れて取り組んでまいります。なお、環境負荷削減や購読者の利便性向上を図るため、研究会発表資料「映情学技報」は、今年度よりオンライン配付を計画しています。

国際的な取組みも継続・強化します。各研究委員会とIEEE Japan Councilとの連携や、韓国放送メディア技術学会KIBMEに対しては基調講演を担当するほか、当学会の年次大会においてのジョイントセッションを企画します。ディスプレイ国際ワークショップIDW 2023の米SIDとの共催等も継続するなど、国際学会での発表や交流の場を提供し、海外の研究者とのネットワークを構築することで、グローバルな視野を持った研究者の育成にも貢献していきます。

本会運営の基盤となる会員数の増加は多くの学会の共通課題ではありますが、今年度もアカデミックパートナー制度を積極的に展開し、若年時より当学会へ興味を抱いていただくことに注力していきます。そして、事務局の皆さまと一緒に、有益で効果的な会員サービスの充実に努めてまいります。

2023年度も、映像情報メディア学会のさらなる発展に向けて、会員の皆様の積極的なご参加とご指導を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。