会長からのご挨拶

会長からのご挨拶

会長 齋藤英雄

慶應義塾大学 理工学部 教授

【会長就任挨拶】

2025年5月30日に開催されました映像情報メディア学会定時社員総会において、鈴木教洋前会長の後任として会長を務めさせていただくこととなりました。75年の歴史を誇る本学会の運営を担うことは大変光栄であり、その責任の重さを強く感じております。今後は身を引き締め、本学会のさらなる発展に向けて努めてまいります。

私が映像情報メディア学会に入会したのは、アナログ信号であった「テレビジョン映像」がディジタル化され、「映像情報メディア」として扱うことのできる「ディジタルコンテンツ」の可能性に注目が集まっていた頃でした。本学会が主催するシンポジウムや学会誌・論文誌を通じて映像情報メディアに関する研究を発表し、多くの皆様と情報交換や議論を行う貴重な機会をいただき、多くのことを学ばせていただきました。

近年、映像情報メディア技術は機械学習技術の飛躍的な進歩により、かつては想像できなかった映像処理や生成が可能となり、その発展速度はますます加速しています。これに伴い、本学会に期待される役割も大きく変化していると感じています。私が会員となってからの約20年の間に、本学会を含む学術学会に期待される役割は大きく様変わりしたと考えています。この変化を的確に捉え、次世代の研究者や技術者にとって魅力ある会員サービスを提供できるよう努めてまいります。

また、本学会が開催する研究会や大会に対する期待も変わりつつあります。世界中の研究者や技術者が活発に情報交換や議論を行える場をつくるため、これまでの国際化への取り組みを加速させるような、新たな国際連携による国際会議の企画や、論文誌とのより密接な連携といった取り組みを積極的に検討し、多様なニーズに応えられる魅力的なサービスの提供を目指してまいります。

加えて、機械学習やコンピュータビジョン、VR/AR/MR等のXRなど、本学会がカバーする関連学術分野は大きく広がっています。これらの関連分野を扱う他学会や、それらが企画・運営するシンポジウムや研究会との情報交換や連携をさらに深め、新たな潮流を生み出す挑戦にも取り組んでまいります。

もちろん、新しい取り組みだけでなく、これまで先輩方が築いてこられた会員サービスも継承し、継続していきます。年次大会・冬季大会の実施、韓国KIBME・米国SIDとの連携、そして4K・8K映像機器の研究開発に向けたテストチャートにつきましては、超高精細・広色域HDR版標準動画像(Cシリーズ)第2版の頒布を引き続き行ってまいります。

また、多くの学会で共通の課題となっている会員数の増加については、今年度もアカデミックパートナー制度を積極的に展開し、学生会員をはじめ若手世代に本学会の魅力をしっかりと伝えていきたいと考えております。

2025年度も、本学会のさらなる活性化と発展のため、役員や事務局の皆様と一丸となって施策の実現に尽力してまいります。会員の皆様には今後とも変わらぬご指導ご協力を賜りますよう、どうぞよろしくお願いいたします。