会長からのご挨拶

会長からのご挨拶

会長 川添雄彦

日本電信電話株式会社  取締役研究企画部門長

2018年5月30日に開催されました第64回映像情報メディア学会の定時社員総会におきまして、濵田泰人前会長の後任として会長に就任することになりました。この1年、前会長の下で学会運営を補佐させて頂いておりましたが、改めて当学会の歴史と各界への貢献の大きさを認識し、運営を担うこととなった責任に身の引き締まる思いです。学会の基本施策である三本柱、学会の活性化、会員サービスの向上、新分野の開拓に着実に取り組みながら、当学会を取り巻く環境の変化に対応するために新たな施策にも微力ながら尽力したいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

映像情報メディア学会は、20年前に世情の変化を理由に旧テレビジョン学会から改名し、現在の形となりましたが当学会が所轄、関係する技術分野は日々拡大しています。主たる放送技術は1926年に他髙栁健次郎先生が電子式のブラウン管を受像機に使って、世界で始めて「イ」の字の映出に成功して以来、放送の高度化の流れの中で連綿と進展してきました。本年12月にはいよいよ新4K8K衛星放送が開始されます。これからは本サービスが普及拡大することに学会としても取り組んで行くことは既定路線であります。一方で、放送を取り巻く環境は大きく変革し、放送波とインターネットの連携が当然の時代となりました。この変革は放送サービスの更なる高度化に繋がる一方で、これまで以上に対応すべき研究課題が増大しました。インターネットで提供されるサービスは、利用者と利用分野の増加とともに増え続け、それを支える研究開発は迅速な対応が求められています。そのため、基礎研究から実用化開発に移行するスピードが以前より早まっています。これまでは、基礎研究で発見、発明された成果を実用化に昇華させる際に、共通して、安定化、経済化、拡張化などの課題から実用化移行に時間を要していました。これに対応するためにICT分野では開発手法として、これまでのウォーターフォール型からアジャイル型が普及し始めています。このような変化が特に顕著なのがすでに放送サービスと関連深くなってきたAI関連分野です。サービスが利用される中で生み出されるデータで技術自体が進化するプロセスは、当学会が所轄する映像情報メディアの領域でも、今後、ますます増えていくと考えています。脈々と進めるべき研究テーマをサポートしつつ、このような環境の変化にも学会としても追従し、会員の皆様に貢献できるよう取り組んでいきたいと考えています。

2年後の東京オリンピック・パラリンピックは、映像情報メディア学会の成果を世に示す絶好の機会となります。学会を通じてさまざまな分野の会員が同じゴールを目指して連携、共創が進む事を期待しています。また、2020年は当学会設立70周年の年でもあります。新しい風を呼び込み、映像情報メディア学会がますます発展し、さまざまな分野で、幅広く新しい文化形成の礎となるような活動を国内外に展開できればと考えております。

会員の皆様のご指導、ご鞭撻を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。